海外で働く看護師「萩原芽衣」さんをインタビュー!
2022年4月1日




萩原 芽衣
イギリスで正看護師をしているバイリンガルナース。
SNSを通じて医療英語やセルフラブ等について発信中。
オンラインで日本語・英語を教えたりと、マルチに活動している。
記事のポイント
- 海外で働く看護師
- 英語を学ぶことの意味
- セルフラブ(自己肯定感)を高めよう




目次
看護師になろうと思った理由






誰かのためになること、人の心に寄り添う仕事がしたかったからです。
高校1年の時、「自分が本当にしたいことはなんだろう」と、ふと考えました。私には発達障害のある兄がいるのですが、彼の入退院と周りで支える家族や医療従事者の人を見て、「誰かのためになること、人の心に寄り添う仕事がしたい」とそこで感じました。
親には「もっといろんな選択肢があるんじゃない?」「バイリンガルなんだから、通訳とか講師になったら?」と言われたこともありました。ですが、私は元から頑固で、「これ!」と決めたら引かない私の性格を理解してくれて、凄く協力してくれました。今でも感謝しています。
看護学生になってから、やっぱり勉強・実習が大変でしたね。睡眠時間を削ってでもいいから、よりよい記録や計画をしたい!! そう思い頑張り過ぎちゃって、めちゃめちゃ痩せたりもしました(笑)。それでも、友達と共有したり、息抜きしたりで乗り切ることができたのは、今でもいい思い出ですね!
これまでのご経歴






様々ですが、現在はロンドンで看護師をしています。
看護師免許取得後、都内の総合病院やフリーランスナースを経験しました。3年間日本で働いた後、渡英。勉強を重ねて、イギリス正看護師免許を取得することができました。海外では生活を始めて2年ほどになり、現在はロンドンの脳神経外科病棟で勤務しています。様々な人種・考え方を持った人たちと一緒に、和気藹々とやってます。
働き方も日本と違うことがたくさんあります。看護師の業務って、医療処置や医師の補助以外にも、たくさんの仕事がありますよね。ナースコールの対応や患者様の搬送、時にはお使いに行ったりと、看護師以外の人でもできるようなことも全部看護師が行うって風潮、ありませんか? 看護助手や搬送だけする職種、配膳だけする職種がいることで、それらがしっかりと役割分担できている職場が多いような印象です。「看護師」として働く意味をしっかり保つことができるので、凄く働きやすいです。そして、有給についても日本より取りやすいように思います。長い時だと、1ヶ月くらいは取れたりするので、ワークライフバランスを考慮した働き方ができているように感じています。そして余談ですが、イギリスでは仕事中「紅茶休憩」なんてものもあったりします(笑)。ここも日本と違って面白いところですね。




現在の活動について






英語を教えつつセルフラブの考え方を広めることです。
現在SNSを通じ人と関わり、オンライン上でグループセッションしながら簡単な医療英語や日常会話などを伝える活動をしています。
「ライティングは少しできるけど、リスニングやスピーキングができない。普段使わないからそもそも苦手」って感じてる人、結構多いと思います。また「海外の大学・職場を希望しているから、面接練習や履歴書を見てほしい」なんて人もいて、そういった方については1on1で話したりもします。沢山の方と交流できるので、凄く楽しいです!
でも、人に教えるって凄く難しいと感じているのが正直なところ。私も皆さんにもっと楽しくわかりやすくお伝えするために、現在「apprenticeship program」を受講し「教える技術」を資格取得と並行し学んでいます。今後学んだ知識を活かしつつ、活動方式を調整していきたいですね。
この活動をして一番伝えたいことがあります。それは、英語を学ぶということは、言葉を学ぶだけではなく、海外の文化や考え方、宗教といった多種多様な物事に触れること。そして、それらを学ぶことは自分の視野・価値観を広げる=セルフラブ(自己肯定感)を高めることに繋げることができるということです。私が看護師である以上、医療英語を使う機会ももちろんありますが、実際の多くは日常会話が中心です。国内外に触れた自分だからこそ、伝えられること・できることがあると思っています。医療英語も交えつつ、色んな人が参加し会話を楽しめるような活動にしていきたいです。
その活動を始めたきっかけ






英語を通して他文化に触れたことで、自分自身がセルフラブを深めることができたからです。
英語を学ぶことはそこにつながるツール・近道の一つでもあると私自身が体験したのがきっかけですね。日本にいてもセルフラブを高めることはもちろんできます。すでに備わっている方や、様々な経験をして乗り越えた人もいるでしょう。ですが、
「日本人って良い意味でも良くない意味でも生真面目な性格」「なぜそこまで身を粉にして仕事をしている人がいるのか」
海外にいるとこのような言葉を言われることが時折あります。この生真面目さが苦になることもあるかもしれません。海外の方にも生真面目な方は大勢いらっしゃいますが、それでもどこか自分を大切にする考え方を持っている方が多い印象です。
私も引っ込み思案な性格で、自分の殻から抜け出せない人でした。加えて「これ!」と決めたら突っ走ってしまうこともしばしばあり、その頃は心身ともに疲れていました。ですが英語に触れ・学び・話し、多様な人種・人々と関わったおかげで多様な「生き方」「在り方」「考え方」を知ることができました。「こんな考え方があるんだ」自分の視野の狭さを実感したと同時に、その自分を「許す」考え方にも触れることができ、そこから私は少しずつ生きやすくなったように思います。初めて触れるものって、最初は怖いですよね。でも触れてみると自分の考えていたものとは違った、なんてことはありませんか? 私にとっては、それが英語だったんです。
自分の知らない物事に触れると、同時に自分が無知であったことに嫌気が差すこともあるかもしれません。ですが、そんな自分がいたことを理解し肯定できる様になると、凄く「楽」になれます。理解できるようになるには、それを深めるか、違うものに触れるか、時間が解決するか、様々かとは思います。その手段の一つとして、英語に触れることの素晴らしさを通してエールを送りたい。セルフラブを深めてもらいたいと思います。




今後の展望






看護師の方をメイン層に、英語を教えることを本業にしていこうと思っています。
言語を学ぶには、ただ聞くだけでは身に付きにくいです。実際にアウトプットすることが大切であり、日常的に行えればベスト。継続させることが大切なのですが、看護師はシフトで働いている人も多いので継続した授業を受けることって難しいですよね。そのため、シフトに合わせて好きな時に学べるような構成・学習形態を今後確立しければと思います。そして何より、医療・日常英語を教えるだけじゃなくて、その人自身の在り方・生き方を一緒に考えられるような環境づくりを大切にしていきたいですね!
読者へのメッセージ






自分にリミットをかけずに、自分を信じて突っ走ってほしいです!
自分なんて、と思ってしまい挑戦への一歩が踏み出せない人がいたら、その思考を作り始めたきっかけについて考えてほしいです。傷ついたり、自信を無くす辛い経験があったかもしれない。でも振り返って自分を客観的に見て、ありのままの自分を愛する努力をすれば、世界はもっともっと開けて色んな挑戦ができるようになります。一度きりの人生だから、自分にリミットをかけずに、自分を信じて突っ走ってほしいです。自分を理解してあげられるように、一緒に考え、学んでいきましょう!
萩原芽衣さんのことをさらに知りたい方はこちら!



