手術室専門フリー看護師「つじもと さき」さんをインタビュー!
2022年4月15日




研谷 美月
様々な病院で経験を積まれ、
「手術室専門フリー看護師」
として活躍されている。
記事のポイント
- 「手術室専門フリー看護師」としての働き方やメリット、気になる就職活動についてもご紹介します!




目次
看護師になろうと思った理由






一人でも生きていける職は何かと考えたのがきっかけでした。
将来の夢について、幼い頃から中学校くらいまでは本当にざっくり考えてました。高校での進路選択の時には文系の大学・就職先に進もうと一度考えたりもしましたが、最終的に「実際にその分野で生活していけるだろうか…。」と不安になり、母親や伯母・従姉妹が看護師や助産師をしていたことから、私も看護師を目指すことに決めました。当時は本当にギリギリでの進路変更でしたので、願書や試験の受付とか、先生や親がとてもあたふたしていたのを覚えています(笑)。
看護学校は、大阪の専門学校に入学して寮生活をしていました。寮生とワイワイ楽しんでいたのは良い思い出ですね! バイトについても門限までに帰って来れば許可が降りていたので、内科の受付などをしていました。学業の方は…ずっと赤点でした(笑)。なんとなく過ごしており、意欲も足りなかったのかもしれません。よく先生には、国家試験も「もっとちゃんと勉強して(汗)」とか言われていましたね。でもなんとか試験に合格して看護師になることができました。
これまでのご経験






手術室での経験を積んできました!
看護師免許取得後の就職先について、始めは近所の個人病院に就職しようと思っていました。しかし母から「最初は経験を積むために大きい病院に行きなさい!」と強く勧められたのがきっかけで大学病院への就職に変更しました。そこの病院ではドクターヘリも導入されており「せっかく大きい病院に就職するなら、救急にいきたい!」と、漠然と考え希望診療科は第1希望「救急」、第2希望「ICU」、第3希望「手術室」にしたら、配属発表でまさかの第3希望にした手術室になってしまって。救急で様々な症例や基礎、技術などを学べると思っていたので「まじか(笑)」っとなったのは今でも忘れません。
新人時代は「要領だけはいいね!」と言われていて、何事も周囲の雰囲気を汲み取って乗り越えていましたね。勤務態度もお世辞にも良いとは言えず…。プリセプター(男性)に対しても初めの頃は苦手で、よく後ろから「ハゲーっ!」とか言ってました(笑)。でも徐々に先輩からの言葉が身に染みるようになり、2年目からは態度を改めるようになりましたね。最終的には良い関係を築けていけたのかなって思っていますし、今でも困ったときには連絡を取りあったりしています。
5年程大学病院で勤務した後は、脳神経外科の専門病院やがんセンターの手術室を3年経験しました。それからしばらくして、知り合いのドクターのいる病院から「一緒に働かない?」と職場のオファーをいただきました。「今後もオファーが来て手術室で勤務できるなら、もう常勤で働かなくてもいいのではないか?」と思い、看護師9年目にして「フリーランス看護師」としての働き方を始めることにしました。




手術室専門フリー看護師とは?






「手術室専門フリー看護師」として様々な病院で勤務しています!
きっかけはお話しした通り、ドクターからオファーをいただけるようになったこと。そして自分が働きやすい勤務形態や環境を目指した結果、気がついたらフリーランスとして働く看護師になっていました。現在の働き方は、2〜4回/週くらいで病院ごとに曜日を決めて、スポットで仕事に行くような感じです。一番初めは、土曜日だけ勤務できる病院(手術室)を紹介会社経由で紹介してもらい働いていたのですが、その後は、ドクターからのオファーや自分が働きたい曜日で働ける勤務先を探し続けていたら、自然と今の働き方になっていましたね。
就職活動に関しては、その病院のことを調べて、面接をして…とここまでは普通の流れと一緒です。
しかし私の就職活動は少し違っており、自分でアポイントメントを取り面接へ。そして、自分で自分をプレゼンし契約までもっていきます。病院が紹介会社に支払っている金額を例に「私を紹介会社を通さずに契約するとこのくらい差額があってお得ですよ」「こんな情報を職場に還元できますよ」など…。雇用契約書や自分をプレゼンするための資料をパワーポイントで作ったこともあります。この方法だからこそ、より自分が望む雇用形態で働けていると思っています。もちろん正社員ではなくパートという位置づけですが、看護師としての業務や本質は変わりません。




仕事内容としては、パートという位置付けにはなりますが、もちろんその職場の1スタッフとして1日働きます。病院によって機械や器具、ルール、システム、業務などの違いがありますが、様々な職場での勤務を体験できることで、各職場にも共有できることが面白さと強みの一つです。でもこれを聞いて「やること、覚えることがいっぱいあって大変そう」と思う方もいるかもしれませんね。実際、慣れるまでは私も少し時間がかかりましたが、自分の好きな場所とタイミングで働けるメリットに比べると、それも小さなものです。
また、常勤だと良い意味でも悪い意味でも長く同じ場所にいるからこそ、人間関係で見えてくる部分があって、それがその職場で働くことの「ストレス」になったりしますよね? でもたまにしかその職場に行かないので、良いところしか見えないのがいいところの一つですね。たまにしか来ない私に対してのいじめもなくて、有難いことに凄く仲良く接してくれるスタッフ・職場ばかりです。一緒に働いている皆さん、いつもありがとうございます!
今後の展望は?






手術室看護・新しい働き方に興味のある看護師さんを応援したい。
「手術室専門フリー看護師」として現場に立ち、この働き方を継続していこうと思います。それが自分の強みでもあり、好きな働き方の一つでもありますから。自分と雇用先の両者のメリットがより高くなるような方法を引き続き探していきたいです。そして何より、手術を受ける患者さまとその支えとなる人たちに、安心と安全を届けるお手伝いができる看護師を目指します!
そして今後は、手術室看護師として頑張る人や、新たな働き方に興味がある人を何らかの形で応援したい!と考えています。SNSやwebでの自己発信や執筆活動など行なっている訳ではありませんが、いずれは私なりの情報発信をできればと思っています!
読者へのメッセージ






働き方は一つじゃない!




「手術室専門フリー看護師」が、そんなに珍しい働き方だとは思ってもいませんでした。周りの方々に「そんな働き方ありなの!?」と驚かれることが多くなり、ノウハウを聞かれることが増え、ついにはN&I stageさんにインタビューを受けるまでになりました。これは、私の働き方に興味がある人が増えたということですよね。とっても嬉しいです!
ですが、私は国語科卒の文系人間。突然の路線変更で看護科へ入学したものの、テストは赤点常習犯。国家試験に受かったのは奇跡だと思うほどの底辺看護師です。そんな私でも「手術室専門フリー看護師」を名乗り、自由に働く方法を見つけることができました。
ほら♪あなたにも「あなたの求めるもの」が見つけられる気がしてきませんか?
働き方・働き先は一つじゃありません。どんな方にも、まずは自分が働きたい環境探しから始めてみてほしいです。意外と近くにあるかもしれません。
そこが見つかったら「私は〇〇になりたい!」「私は〇〇がしたい!」と希望を実際に言葉にしてみて下さい。少しでも理想の働き方に近づけるはずです!
この記事が少しでも多くの方の目に留まって頂ければ幸いです♪
ありがとうございました!