外資系IT企業CSM/Marketer/元看護師 「 TOMOKA」さんをインタビュー
2022年5月4日




研谷 美月
救急病棟を経験後に海外へ。
現在は外資系IT企業にて、CSM/Marketerとしてリモートワークで活躍中。
記事のポイント
- 海外での自立した生活の目指し方
- 海外ナースの働き方
- 外資系IT企業での仕事内容とやりがい




目次
看護師になろうと思った理由






女性が自立して生きていけるような職業に興味がありました。
きっかけは、母が看護師として働いており、幼少期からその姿を見て看護師に興味がありました。そして、女性が自立して生きていけるような職業に就きたいと考えていました。
海外に興味が湧いたのは小学生の時です。私は元々引っ込み事案な性格で、何事もみんなに合わせなきゃいけないと思い生活をしていました。そのような中で、オーストラリア出身のALTの先生との出会いがきっかけで、幼いながらに私の中で価値観が変わりました。先生は裸足で教室に入ってきて授業をしていて、みんなと違うことをしているのに周りを明るくさせる力を持っていました。その先生の姿を見て、私は「そういう人になりたい」「将来大きくなったら海外で仕事をしてみたい」と思うようになりました。
看護学生時代は、あまり真面目とは言えない学生だったかもしれません(笑)。実習では、元々コミュニケーションを取るのが苦手ではなかったので、指導していただいた看護師さんとも、関わらせていただいた患者様ともなんとかコミュニケーションをとることができて、乗り切ることができました。授業はウトウトしながらも、クラスメイトと共に国家試験に向けて勉強して無事看護師資格を得ました。
これまでのご経験






救急・ICU病棟を3年経験し夢だった海外へ。
看護学校卒業後は、公立病院で救急とICU病棟で勤務をしました。
もともと看護師として3年間働いた後は海外に行こうと思っていたので、短い期間でも集中して広く看護を学べる救急に配属希望を考えていました。そして、配属希望にはすべて救急って書いて提出した結果、無事に救急への配属が決まりました(笑)。
看護師1年目の時は、比較的やる気のある新人看護師だったと思います。将来は海外で働くことを見据えていたので、”3年間で全部学びたい!”と思い働きました。師長さんや周りの先輩方にも3年後に海外に出たいという目標は伝えていて、指導して下さった先輩方には申し訳ない気持ちもありましたが、皆さん応援してくれたのは本当に嬉しかったです。
病院を退職をした後は、マルタ共和国の語学学校に入学をしました。すでにオーストラリアの看護留学に進むことが決定していたのですが、看護留学に行く前に現地でコミュニケーションを取れるような英語力を事前に身に付けたいと思ったことや、私自身海が好きで、陽気な雰囲気の国に行ってみたかったので、先にマルタ共和国にいくことを決めました。
マルタ共和国はとても陽気な国で、学校の授業は午前中に終わるので、午後からみんなでビーチに出向いて宿題をしたりビールを飲んだりして、夜になったらクラブに行ったりもしていました。一見ほぼ遊んでいるだけのようにも聞こえますが、クラブと言っても、日本のようなクラブではなくて、本当に仲間内でワイワイして、お酒を楽しみながら英語を学べる環境で、そこでのリアルな会話を通して英語力は身についたように思います。マルタ共和国は気分転換やバケーションに行きたい方にも特におすすめですね(笑)。
マルタ共和国で半年間過ごした後は、オーストラリアのシドニーで1年半看護師として働くことになりました。




オーストラリアでの看護師の働き方について






AINという資格をとって働いていました
AINという仕事はアシスタントナースと言い、日本でいうと准看護師と正看護師の間のような存在のポジションです。
1)RN(Registerd Nurse):正看護師
2)AIN(Assistant in Nursing):アシスタントナース
日本と海外、どちらの病院での働き方もいいところは沢山あります。オーストラリアの働き方の違うポイントとしては、看護師の権利がすごく守られているところだと思います。例えば、看護師の職業病には「腰痛」がありますよね?。日本の場合は、患者様の体交は看護師数人で行うことが多いと思いますが、オーストラリアの場合は、看護師が腰痛を起こさないためにリフトを使って患者様を移動させます。そのような細やかなところも法律として決まっていて、働くスタッフを守ってくれています。もしも看護師の腰痛持ちが発覚したら、その療養期間を有給休暇として扱ってくれたりもしますね。
お給料も、日本で夜勤をしながら救急で看護師をしているときよりも、シドニーでのAINとして働いている方が良かったです。仕事の方が良いですね。オーストラリアは日本と比べて全体的に給料が高いですが、看護師はさらにいい方だと思います。そして信用のある職業ランキングも上位に入っていますので、社会的な補償とそれに伴う人気がある職業ですね。しかしその分、オーストラリアでは、大卒しか正看護師(RN)にはなれません。その点、日本の場合は、看護師になれる道は沢山ありますので、より多くの方々が看護師を目指せる環境にあると思います。




1年半看護師として働いてきましたが、その間病院や職場にとらわれない働き方をしている人にも沢山出会いました。それがきっかけで「場所に縛られない働き方ができたらいいな」と次第に感じるようにもなりました。また、ずっと同じことをしていても見えてくる世界が変わらないような気もしていました。なにか違うスキルも身に着けて私にしかできないことを探したいと考えました。そのため、転職を決意し一般企業に就職を決め現在に至ります。




現在の活動について






仕事内容はCSMとマーケターをやっています。
現在はメインのお仕事として、アメリカのロサンゼルスに本社を構えるVRのエデュテックカンパニー(エデュケーション+カンパニー)ではたらいています。また、医療現場にDXを導入する日本のスタートアップカンパニーでもお手伝いをさせていただいております。
会社では経営、マーケティング、カスタマーサクセスなど、様々な仕事をさせて頂いていて、とても勉強になります。
メインで担当しているCSM(カスタマーサクセスマネージャー)では、ユーザーにどうしたらこのサービスを辞めずに続けていただけるのか、少しでも多く満足してもらえそうか、などをヒアリングし、データ分析を行いつつフィードバックしていく仕事ですね。内容だけ聞くと少し遠い存在の職業に聞こえますが、意外と私達の近くでもCSMとして働いている人はいるんです(笑)。
今のCSMの仕事はとても楽しいです。自分で目標を立てたり、トライしてだめなら次は違う解決策を考えたりと、徐々に結果が数値化され、可視化されるので、わかりやすくアウトカムが出ることにやりがいを感じています。
マーケターとしては、SNSマーケティングを担当しています。もともとInstagramのアカウント運営の経験もあったので、今はInstagramとFacebookをメインに担当しています。あとは、アフィリエイト(インターネットを利用した広告宣伝の一つで成果報酬型の広告)を他社を通じて行ったり、Googleアナリティクス(Googleが提供するアクセス解析ツール)を使いながら、フィールドマーケティング(消費者と商品が直接接触する場をフィールドと呼び、ここを重視したマーケティング戦略のこと)について、メンバーや社長と話し合ったりしています。
仕事は完全リモートワークになります。割と自分のペースで仕事ができますね。人間関係で悩むことも少なくなりましたし、仕事で悩んだ時は連絡ツールもあるので安心です。また、親しみやすく・頼り甲斐のあるメンバーの方々に囲まれながら仕事をさせて頂いていて、とても働きやすいです。
今は、看護師とはまるっきり違う働き方になりますが、看護師での経験が活きる部分もあります。
それは「疑問に思ったことは調べてから周りの人に聞く習慣」が身についていたことです。仕事の繁雑さ、人の命を看ている重さ。それらが第一にあり、よく根拠を調べたり事前学習を行う習慣が身に付いていたので、違う分野の職業に就いても勉強に臨めたのだと感じています。




読者へのメッセージ






興味があったらどんなことにもチャレンジしよう!
私が看護師とは違う道に進むことを決められたきっかけは、私が看護師免許を持っていることが大きかったと思います。正直、看護師って最強じゃないですか!! 元々いた病院に戻れるかもしれないし、戻れなくても仕事がなくて生活が困窮することは中々ないと思います。オンラインプリセプターでも「新しい分野・仕事に踏み出す勇気がない」そんな相談を受けることがありますが、やってみてだめなら、戻って仕事ができる職種、それが看護師です。ですので、色々なことにチャレンジしない手はないと私は考えています。
一歩踏み出せる原動力は人それぞれ違うと思います。自分のためかもしれないし、大切な人のためかもしれません。
私の原動力は「人生はいつ終わるかわからない。やった後悔よりもやらなかった後悔の方がよっぽど大きい。」と考えている部分にあります。生まれつき持病があること。看護師として亡くなっていく人を間近で看てきたこと。それらが念頭にあるのかもしれませんね。
しかし、私も時には躊躇したり、行き詰まることは多々あります。そのような時は、自分がやりたいことを周囲の人に話すことが大切だと思ってます。そうすることで、それに関連した情報が自然と耳に入ってくることもあります。そして、周りも自分をその理想のキャラクターに近づけてくれると思いますね。
興味があったらどんなことにもチャレンジしていくと、毎日が楽しくなります。
この記事が、読者の方々が考えるものへのきっかけになればと嬉しいです。ありがとうございました!



