株式会社first「髙橋 優太」さんをインタビュー!
2022年2月23日




高橋 優太
「急性期勤務を経て、訪問看護の道へ。
現在は株式会社「first」代表取締役として、
「ファースト訪問看護ステーション灘」設立に向け活動中。
記事のポイント
- 看護師として大切なことは何か
- 目指す訪問看護のあり方
- 立ち上げ中の事業について




目次
看護師になろうと思った理由






「人と接する、関わる仕事がしたい」と考えたからです。
1つは母親が看護師をしているということ。僕の小学校の隣の病院で働いていて。周辺を歩いているとよく外でも、母親がよく「髙橋さん」と患者さんに声かけられていて。どこに行っても看護師の母親は、いつも楽しそうに仕事をしていたのでその仕事に就くと楽しいんだろうなという勝手な事があって。看護師っていいかなと思って。
もう1つは、1つ下の弟がいるんですが、幼少期に悪性リンパ腫になって。血液内科に入院していたけれど、面会の制限が厳しくて。ガラス越しに面会することしかできなくて。そのときに、絶対話しかけてくれるのは看護師さんなんです。「こうやって家族にも気を配れる職業ってすごいいいなあ。」と思って。医療にすごいお世話になってるし、自分ができることなんかないかなと思ったときに、男で看護師するのも悪くないかなあと。
看護師という職業を選んだっていうのは、この二つが主な理由です。
看護学校に入学してからについて。元々自分は、高校までは勉強はできるほうではなくて。でも看護学校に入ってから勉強に力を入れることにしたら、最初のテストでいい成績を収めることが出来ました。これがきっかけで、あの子賢い子や次もどうせとるんだろうって思われているからやばいなと思って。そこから自分が本気でやったらできるんじゃんっていうのがわかったから、勉強するのが好きになりました。
これまでのご経験






急性期での勤務経験の後に訪問看護管理者へ!
看護師免許取得後、小児科を希望していましたが小児科は婦人科混合病棟のため、上司の勧めでICUで勤務しました。ICUでの勤務は大変でしたが、学びも多かったですね。そしてその中で恩師となる医師に出会ったことで、僕の看護師人生がグッと変わりました。
最初その医師に「お前なんや、指示待ち人間か。指示待ってるような看護師なんかいらんのや。」みたいな感じで言われて。少し厳しい医者でしたけど、それだけ技量のある先生でしたね。でもこの一言で、「指示されているだけやったら看護師いらんわ。」って、そこでなんとなく気付いた気がします。医師といかに信頼関係をとるかとか、アセスメントってスキルを磨いて、この数字の意味理解しようと考えるようにシフトしたら、そこからすっごく医師から信頼が抜群に良くなったように思います。
「あの大学生とかこの辺に連れてきて、血圧60以下でコールせい。って指示あったら誰でもできるやろ?。でも60になる前にお前やったら電話するやろ。」
「ああ、します。」
「それはなんでや。」
「これこれこうだから。」
「そうやろ。そこがナース大事なんやろ。俺らが全部やるんじゃなくて、ちゃんとそこの過程、ちゃんと確認して考えて報告してこい。」
先生とは他にもこんなエピソードもありました笑。でもこのやりとりで、ただ指示待ちで働くんじゃなくて自分で考えながら行動できる看護師っていうのが、めっちゃ腑に落ちたように思います。
病院では他にも、希望だった小児のICUとか心臓血管外科の術後のICUも経験しました。病院やセンターでの仕事の中で、社会的な需要や自分が気付いたあることを自分なりに解消できたらなと考え、在宅看護の道に入ることに。訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護の看護師長を経験した後、自分のキャリアのことも含め、現在は自分の法人と訪問看護ステーション設立に向け、準備をしています。
現在の活動について






在宅と病院、その間のケアをもっと充実させたい!
ではなぜ僕が訪問看護にシフトしようと思ったのか。そのきっかけについて少し話しますね。
僕が救急で働いているときに感じたこと、それは
- 高齢者の救急搬送が多い。
- 精神科の救急搬送も多い。
- 医療ケア児が増えている。
ことです。病院に搬送・受診しにくる患者さんってほんと様々な症例があるんですけど、僕の目にはこれらの患者さんが少し多く感じたんです。⑴〜⑶に限らず共通して言えることではあるんですが、搬送に至るまでの経過の中で、もっと在宅での医療の目と手を増やすことができれば、もう少し救急搬送は減るんかなって。そう感じたんです。
⑴に関しては、語らずとも高齢者の患者さんが多いのはわかりますよね。⑵について、例えばオーバードーズとか飛び降りとか。それ以外にも家庭内でのトラブルだったり様々でした。⑶については、医療ケア児と生活されている家族がその子と一緒に来るケースが増えているように思います。医療ケア児の家族が休息出来ずに救急外来を受診するのをみていると、なかなか休めないんだな…ともどかしさがありました。
最近は医学の発達と国の方針で、ある程度医療依存度が高い患者さんもどんどん地域に帰っていくんじゃないですか。そうなると在宅で見る環境づくりが必要になりますよね。訪問診療・看護・リハビリ・介護…その他にもサービスは様々あるけど、きっとそれでも提供側の量と質が足りていない。そして、患者に関わっている家族や地域の方々レスパイト・指導の場も同様。これらの社会的な問題に対して、いち看護師として何ができるか・役に立てるかを考えたんですよ。結果、起業し訪問看護ステーションを立ち上げて地域に出てみることが一番かなと。もう自分がやるしかないと思って現在に至ります。
2022年4月に、神戸市灘区にステーションを設立しようと奮闘中です。




法人名は「株式会社first」
事業所名は「ファースト訪問看護ステーション灘」
事務所借りたり、融資の相談・雇用関係や業務全般の調整などめちゃくちゃ大変ですね笑。自分の性格上、あれこれ一人で抱え込んだり一人でやっちゃったりしちゃうので、リーダーとしてちゃんとメンバーと色々共有できるか不安ですが、何事も勉強だと思ってやってます!
今後の展望






看護師としての意味を考えながら、在宅でできる新しいサービスの形を模索していきます!
弊社のビジョンは、
①地域医療の新しい形を常に追求します ・エビデンスに沿った医療が提供できるように、自己研鑽する組織を目指します ・地域医療の発展に貢献します・地域医療における医療者の新しいキャリア形成や働き方を追求します ②地域医療における最高のサポーターを目指します ・その『人』が大切にしているものを常に考え、医学と生活の視点から顧客満足を一番に考えたサービスを提供します
この2点から地域医療の発展を目指します。
利用者の方々にサービスを届けるのはもちろんですが、一緒に働く看護師さんにも「看護師として介入する意味」を考えてもらいながら一緒に仕事をしていけたらと思っています。訪問看護と訪問介護って値段が違いますよね。それは医学的根拠を持って看護師だからできるケアをそこで行う義務があるからだと僕は考えています。例えば看護師もヘルパーもお風呂に入れることはできますよね?。でも心不全の人をお風呂に入れる時に運動負荷とか水分バランスとか考えながらお風呂に入れるのは看護師だと思うんです。そこにどう価値を見出しサービスの質に繋げるかっていうところを常に問い続けることで、訪問看護っていうものがより良いサービスになってくると思います。僕も看護って何なんだろうって思ってて。訪問看護が介入することで、見える結果を根拠建ててサービスを実施するってところを大事にしたいなと思ってます。
あとは、僕の妻が管理栄養士の資格を持っています。低栄養や食欲不振などといった方々に対しても、できる限りアプローチしたいですね。環境が変わると急に栄養に関する問題って出てくるケースが少なくないですから。在宅で栄養へのアプローチって大切で、いつか栄養ケアステーションとかも併設したいと思っております。
他にも、僕個人でSNS上での繋がりがそこそこあるので、そこから専門の人に相談できる体制なんかも面白いと思ってます。例えば、精神科関連での悩みが在宅で新たに発生した場合、基本的には病院にかかると思いますが、在宅の時点で精神科認定看護師に相談できるとか。実際にそう言った方を何人も雇用するのは難しいけど、可能な限り巻き込みながら、質が高い看護をできるように、今後も模索していきたいですね。法律や決まりはあるけど、そう言った新しい試みを取り組んでいけるのも、法人化した強みですから!
そして、たくさんの方々へ自分やステーションの紹介、看護師として知りたい・知ってもらいたい事など…それらを発信するため、SNS以外に現在はYoutubeチャンネルを開設致しました!こちらもぜひご覧になって下さい!
読者へのメッセージ






神戸市で熱い看護がしたい人は来い!!(笑)
恩師とのエピソードでもありましたが、常に自問自答し考えて行動できる看護師になるためには、看護師みんながリーダーシップを持って働くこと。そして何事にも目的とビジョンを持って、ロジカルに事を進めていく事ことが大切だと僕は思います。
なんで?って聞かれた時に「あ、こうです!」ってちゃんと言えるような、目的をもつってことがすごく大事かな。そして僕は、頭が禿げても看護って何かをずっと死ぬまで問い続けていると思います(笑)。
「看護って何?」を追求したい人、神戸市で熱い看護をした人、ぜひお待ちしています(来い!笑)
看護ってなんだ?を常に追求して、『頼んでよかったを全ての人に』をミッションとして日々成長できる組織を目指していきたいです!応援よろしくお願い致します!!
髙橋優太さんのことをさらに知りたい方はこちら!